奏は、一拍置いて深く息を吸った。
そして、ふうーっと時間をかけてはききる。
「このとき、オレは『もう二度と女になめられたくない』って思った。だから、強くなろうとしたんだ」
「……それで……」
俺様みたいな性格になったんだ。
「最初は強いフリをしてただけだけど、フリも続けば本物になる。まあ、今はこの性格が自然になってるけど――」
けど結局、といいながら、彼は階段についていた手を払った。
「完全に強くはなりきれてなかったらしい。オマエに……円に会ってわかった」
「わ、私に……?」
急に視線が向けられ、私はどぎまぎした。


