「……でさ」 話しかけられ、肩が小さく上下した。 無茶苦茶なフォームで泳ぐ金づちの目を必死におさえて、どうにか千住くんのほうに視線をやる。 すると、 「謝ってくれねぇのかって。さっきの暴力について」 彼は、わき腹をおさえながらたずねた。 「あっ……!!」 そういえば、謝罪をすっかり忘れてた。 私は、あわてて頭を下げる。 「……ご、ごめんなさいっ!」 「いわれてからじゃあな。なんか許す気になんねぇ」 「じゃ、じゃあどうしたら――」 ――ピタッ。