「すべてを話すって、書いたよな」
「……うん」
「聞いたらオマエ、『くだらない』っていうかもな」
「くだらない?」
いったい、どういう意味だろう。
奏は、足もとのいくつかの小石を、ひとつずつザザッとつま先で蹴りながら「オレ」と切り出した。
「平たくいえば、人間不信ってやつ」
「え……っ?」
「正確にいえば、女不信」
「女って……じょ、女性不信……?」
「ああ」
蹴飛ばした小石の行方を追う彼の横顔は、いたって真剣だった。
「な、なんで……?」
想像だにしない言葉だった。
これだけ完璧な奏が、まさかそんなものを抱えているなんて。
冗談にしては空気が変だから、本当のことだろうけど。


