(いってくるね) あのあと、私は自分で「もう一度会う」と決断した。 その直後に、心配や迷惑をかけっぱなしの彼女にだけは、すべてをさらけ出して正直に伝えていた。 決断するきっかけになった、言葉をくれた人だから。 (ありがとう、ミッチ) ――ピピッ。 マナーモードに設定して、目を閉じる。 (すぅーっ……、はぁーっ……) 生温い空気を、けれど胸いっぱいに吸いこんで、わずかに震える唇でゆっくりはく。 そして、 (よしっ!!) 携帯電話を「パンッ」と閉じた音を合図に、私は目を開けて歩き出した。