。●
玄関から出ると、景色は夏の遅めの夕暮れに包まれていた。
(付き合って初のお祭りデートかぁ)
新調した浴衣を着て、下駄をカラン、カランと鳴らして歩くと、否応なく気分が盛り上がってくる。
(奏も浴衣着てたりして……って、まさかね)
私は、奏の浴衣姿を想像して、公の場だというのに悶えそうになってしまった。
俺様系ではあるものの、イケメンで知的なメガネ男子。
そんな彼が、浴衣姿で、しかも、いつもみたいに抱きしめてくれて……。
あの潤んだ唇で、私の唇をついばまれたりなんかしたら……。
(私、もう人生に悔いないって思うかも)
なんて妄想をくり広げながら神社の近くまでくると、浴衣の子たちの姿が目立ってきた。
(みんなキレイ……)


