意味もなくポテトの長さをそろえながら、私はジュースで甘くなった息をはいた。



「でもよかったじゃん、マドカ」


「ん?何が?」


「学校内でもだいぶラブってもらってるし。普通さ、男ってしてくんないよ~。恥ずかしいとかいって」


「ていうか、私が恥ずかしいんだけど」



さすがにキスまではないけれど、すれ違うたびに頭をくしゃっとしてくれたり。



昼休みには屋上に誘ってきて、一緒にお弁当を食べたり。



学校が終わると、注目もどこ吹く風で私の席にきて、「帰るぞ」と肩を組んできたり。



まわりの視線がそのたびに痛いようなかゆいような、いまだに心が慣れない。



「とかいって、本当はめっちゃ嬉しいくせに」


「それは……えと……」



返答に困って、私はナゲットをふたついっぺんに口へ放りこんだ。