奏が割って入った。
ミッチは、「ん?」と奏を見あげて、しばらくじいっと目を合わせたあとに、「なるほど」と、私の耳元でささやいた。
「これがチュウの相手ってことね」
「……う……っ」
完全に見抜かれてしまった。
まあ、この抱かれ方で気づかれないほうが不自然ではあるんだけど。
ミッチは、ニヤリとしながら彼に「お願いよ」と念を押した。
「ちゃんと看病したげてよ」
「ああ。担任きたら、オレら今日ふたりとも、もともと休みだったってことにしとけよ」
「オッケ」
「じゃあ帰るぞ。円、動けるか?」
彼の問いに、私はかろうじてうなずく。


