恋人 × 交換!? 【完】



私の脇から手を通して、奏が軽々と抱きかかえてくれた。



お姫様抱っこの形になり、普段の私なら恥ずかしさがこみあげてくるところだけど、今はダルさが勝って、楽な体勢がただただ、ありがたかった。



(それにしても、意外と力、あるんだ)



ぼんやりした頭で、他愛のない感想を浮かべていると、



「マドカ……!!」



聞き慣れた声が飛びこんできた。



ミッチだ。



「ちょっと……アンタ、大丈夫?」



走り寄ってきて、私の顔を超至近距離でのぞきこむ。



「う、うん……風邪、かな……」


「ほんと。顔色がマジ悪いよ……どうする?保健室、行く?」


「行かねぇ。帰るわオレら」