私の名前が聞こえたと思ったら、教室に知らない女子たちがぞろぞろっと入ってきた。
非常に不機嫌ですという声色でたずねてきたのは、そのなかのひとり。
「えっ……あ、そう、ですけど……何、か?」
制服は同じだから学校は同じだろうけど、学年が違うかもしれないからと、一応敬語で受け答えた。
顔は見たことあるような、ないような。
「何か?じゃないじゃん。余裕ぶってとぼけるなんてありえないし」
「……はい?」
多分初対面なのに、よくもまあ棘のある言葉を投げつけられるものだと、ある意味で感心しながら、首をかしげる。
「あんたでしょう?昨日、奏クンとくっついて歩いてたのって」
「…………」