「なんで百合岡さんなんだろ~」 「わたしが聞きたい。もしかしたらさ、頭いいからとか?」 「え~っ。他に、もっと可愛いくて頭いい子いるじゃん」 私が彼女たちを見やると、ふたりは目を伏せた。 (もしかして……) 予感が走る。 少し前にも危惧していたこと。 こうなったらどうしようと、ヒヤヒヤしていた事態。 私は、指摘されたときにどう返せば丸く収まるのかと、大急ぎで頭の中の電源を入れて、シミュレーション画面を開いた。 だけど、一歩遅かった。 「ちょっと。あんたが百合岡円?」