「あぁ!!ヤバーイ!!」

急ぎすぎて目覚まし時計を持ったまま、自分の部屋がある2階から、リビングのある1階へ駆け下りた。

「ほら、朝ごはん食べてきなさい」

「は?無理。遅刻だしっ」

アタシは、せっかく用意してくれた、トーストと目玉焼きを無視して、ココアだけガブ飲みして、制服に着替えた。

まだまだ似合わない茶色い髪の毛を1つにまとめ、鞄を手にした。

「じゃ、行ってくるから!!」

今日から高校2年生。

高校へは、バス通学の為、1分でも遅れれば徒歩40分の道のりを歩いていかなければならない。

アタシは走って、バス停まで向かった。

ここら辺は静かで、ローファーのコツコツとゆう音と、たまに通る車の音しか聞こえない。

「ふぅ~」

なんとか間にあった。

1分もしないうちにバスはやってきた。

「ハァハァ」と荒れた息のまま、バスに乗り込んだ。

さすがに通勤、通学時のバスは満員で、ほぼ埋まっている。

あい席が当たり前。

あっ!!

あたしは、1つ席が開いているのに気がついた。

隣には男子高校生が乗っているけど、気にせずその席に座った。

「フゥー」

アタシは気が緩んで腰掛にもたれかかった。