なのに、あの事件ーーー

ーー「KB事件」

正式名は、研究所爆撃事件。

その時、母は私たち人形を必死に避難させようとしていた。

だが、姉妹の量が量。
その時、姉妹の皆は、体内点検。いわば、姉妹たちがウィルスにやられていないか点検中だったのだ。

皆、システムダウンしていて動いてはくれない。

母は、その時たまたま体が動いた私を連れ、研究所を出ようとした。

「フォース!」

私が研究所で呼ばれていた名前だ。

研究所内は炎で犯され、天井が崩れ、瓦礫となり私たちの進路を塞ぐ。

「イエス、マリア」

ただ名前を呼ばれただけなのに、アンドロイドである私は、自分の戦闘プロテクトを解除し、生まれた時から持たされていた剣、「サバル」で瓦礫を一閃する。

「よくやったわ、フォース」

「恐縮です」

「私の娘の中でも最高傑作よ」