私がこの世に生を受けて、初めて耳にしたのは私の創生者、母(マリア)の声。

母は私を愛してくれた。
今までお作りになられた、お姉様や妹より…ずっとずっと深い愛を下さった。

けれど、私は感情のない我がマスター母(マリア)が作ったただのアンドロイド。

母のくれていた愛の意味も分からず、ただ母を微笑ましく見ていている。母が困っていれば手助けする。ただのお人形……

感情など必要ないアンドロイド。

感情など求められないアンドロイド。

アンドロイドは涙を流さない。

アンドロイドは死なない。

どんな鋭利な刃物で切られようと

どんな銃弾で撃ち抜かれようと

死なない。

最悪、インプットされていた脳内データが全て削除されるが、また再起動される。

主を守ってこそのアンドロイド。

その為に生まれてきた存在。