キミが笑えば




「?だって沙夜が来る前に踊ってたし、陽谷くん」


あぁ。

「…なるほど」


「なになに?嫉妬?嫉妬?」

澄音は何故かテンションが上がってるみたいだ。
口に手を当てて笑ってる。

ニヤニヤしてるのは澄音じゃないかー。


「嫉妬?ないない」


私の答えが面白くなかったのか澄音は横で何かブツブツ言ってる。

でも、嫉妬じゃないって言ったら嘘になる。
多分これも母性本能。そう思い込んだ。


「さぁてと!帰ろうか、沙夜」


気がつけば周りの人たちは次々と帰っていた。


「カバン持ってくるから、ちょっと待ってて?」

澄音が控え室の中から戻ってくるのを待ちながらぼーっとする。


少し待つと彼女は慌てて出てきた。

私たちはそのまま昇降口へ向かった。