キミが笑えば



放課後、移動が終わってからダンスの練習をそこそこして澄音の控え室まで行った。


控え室を覗くと澄音らしき人は見当たらない。


「澄音〜?」

誰も返事をしてくれない。

澄音の居場所くらい教えてくれてもいいのに。
皆さんは一生懸命ダンスの練習中みたいでしょうがないけど。


「あ、沙夜じゃん!こっちこっち!」


帰ろうかな、そう思っていたら澄音が少し離れた廊下で手招きした。


「中にいるかと思ってたー」


「ごめんごめん、それより!」

ほら、見て!
そう反対側の廊下を指差す。

その方向を見ると、


陽谷くん。

心が軽く跳ねる。