「ほうほう…!沙夜は陽谷くんのことどう思うのよ?」
澄音がいきなり近所のおばちゃん的なノリになる。
「だから背が―‥「じゃなくて!」
若干引きながら答えた私に違うと言うように遮った。
「?…可愛いなっ―‥「さっきも聞いたよ!」
?
「じゃあ何を―‥」
聞きたいのさ!?
と言おうとしたら澄音は呆れた口調で話し出した。
「陽谷くんに恋しちゃったかいっ?」
あぁ、そういうことね!
「してないよ」
そう答えると澄音は目を一瞬見開いて笑いながら言った。
「そうなのっ?」
「まぁねー、だって陽谷くんのこと何も知らないし」
相手のことも知らずに好きになることは今まで無かったし。
「一目惚れ、なんてことも有り得ますけどぉー」
「あはは、あるわけないよー」
一目惚れの経験は一度もない。
それに私はじっくり好きになっていくタイプだし?
