元カレと別れてから1年と少し。
あれから1度も好きになった人はいない。
別に元カレのことを引きずってるわけじゃないし、恋愛できない過去があるわけでもない。
ただ、男子と関わるのが苦手で近づくことをしなかったから。
でも、人並みに恋はする。
そんな普通すぎる私、
畑瀬 沙夜―ハタセ サヤ―。
美術部の私は展覧会に向けて着々と作品を描いていた。
「見て見てっ!」
そういきなり隣に座っていた澄音が興奮気味の声をあげた。
数人かが手を止めてその子に目を移す。
「陽谷くん描いてみた!」
陽谷…くん?
誰かな?
オリキャラ?
