「想像と違ったね、可愛いじゃん」
「……………まぁ確かに…そりゃ」
茉宵とかいう奴は、色白で背も高めで何食ってんのってくらい細い。極細すぎる。折れそう
化粧もしてんのかってくらいナチュラルすぎて高校の奴ら見てる俺には珍しすぎる
「ところで、名前聞いてない」
いきなり振り向かれビビった
「さっき聞いただろ」
「苗字だけ。それにどっちがどっちなのよ。あたしは大麻茉宵」
「俺は宮本綾貴」
「あ、俺はね桐生春臣」
「へぇ。」
…………ほんと反応うっす
つか、愛想ねぇ
「あ、今日電車乗るよ」
「はっァ?聞いてねーよ!なんだよ長崎っ」
髪の毛やべぇじゃん!
「綾貴…髪の毛…恥ずかしいな…」
軽蔑の目を向けんな
「……ねぇちょっと」
大麻は俺を見て手招きした
「ちょっとしゃがんで」
俺は言われた通りしゃがんだ。
大麻はピンを取り出し髪の毛につけていった
「ん、マシになった」
鏡を渡され見ると右サイドをピンでとめられ、左は寝癖が随分活かされてた。随分立派な髪になった。
「宮本君、寝癖いい感じで良かったね」
「お、…………おぉ」
そっけなく言い、駅の方に向きを変えた
…………つーか、なんか…………
香水の匂い………つーか………
わかんねぇけど
すげえ良い香りがした。

