合縁奇縁

その言葉に、朝生はえっと驚いたように 改めて少年の服装を見る。

色々なことが一度にあって慌てていて、少年の服装など気にもとめていなかったのだ。


そして、朝生が改めて見た少年の服装は 確かにかなり奇異だった。


「へ…平安?」

まるで、平安時代かのような 不思議な恰好をしていたのだ。

しかも、おぼろ気な知識なので曖昧だが、貴族がするような恰好ではないだろうか?


惜しむらくは、烏帽子がないということだろうか。


―――と。冷静に観察してみても、目の前の状況は変わらない。

目の前にいるのは、平安時代らしき恰好をした少年、だ。