そして梓亜は杏の病室に行った。
「はあ・・・。」
大地がため息をついた。
「なあ。大地?梓亜の誕生日3日後だぞ。」
「うん。杏の退院の次の日だろ。」
分かってるのか。
「俺困ってんだよ。本当はもっと梓亜と仲良くしたいしイチャつきたい。」
「うん。」
そりゃ俺だってそうだよ。
杏ともっと仲良くしたいしイチャつきたいよ。
まあ、今も十分仲良くてイチャついてるけどさ。
「すごく怖いんだよ。もう俺と梓亜は分かれたことになってる。
でもまあちょっとは喋れてる。」
「・・・・・。」
「でもいつか、いつかあかの他人になるんじゃないかって。」
「・・・。」
「もしこのまま、この状況が続いて、廊下ですれ違っても言葉を交わさずに
あかの他人として過ごすかもしれない。それが怖くて・・・。」
「でもお前はこれでいいの?」
俺もいつまでも黙ってらんねぇ。
「お前はさあ。お人好しすぎ!!お前女か?男だろ?」
「なんだよ。俺は男だよ。」
「お前は浮気してねぇんだろ?でも浮気だと思われてるんだろ?」
「・・・。」
「浮気してないなら正々堂々といればいいんだよ。
お前も若干、梓亜を避けてるじゃねえか」
「それはっ・・・。」
「それなのに『疑われてます』って被害者ぶってんだろ?そういうの女がやる行為だぜ?」
「・・・・・。」
「浮気だと思われたのも梓亜のたっめにやったんだろ?
だからお前は悪くねえんだよ。」
