あれから何日が経ったのだろう。


今、紗弓が学校に行っているかどうかは知らない。


もしかして不登校とか?
…違うかな。


ボ~…っと、自分の部屋の窓から
外を眺める。


何日も同じ事を繰り返してるから
本当は紗弓が家を出ていないって事がわかった。


他にも紗弓のお母さんが毎朝何処かに出掛けては
夜に帰ってきたり…たまに帰んないときもある。


今までは仕事が忙しいのだろうと考えていたが
ちょっと今、気付いた。


普通、病人置いて家を出るか…?


紗弓の姉ちゃんが居るとか?
いや、でもあの人一応大学生だし…


気になったら、とことん気になる。
そもそも、風邪が流石にここまで続くか?


この前の嵐のとき、濡れたからか?
酷くなったのか??


苛々とする気持ちが積もる。


「…ちょっと落ち着こ…」


頭を冷やした方がいいな。


そう思った俺は、外へ散歩に出た。


「はぁ、空が青い…」


良くある事を口にしてみる。
青ってよりも、水色だ。
蒼い空って感じだ。


「お母さん、紗弓の服って何枚病院に持って行けば良いのよーっ!」


「ん?」


その時、紗弓の家から
紗弓の姉ちゃんの声が聞こえてきた。


「あと花?わかったから…はいはい」


何の話なのかはわからない。


でも、あのお姉さんが動くなんて…
珍しい。


いつもあの人は“自己中心”だもんな。
母さんの言う事なんか聞かないし。


「…あたしだって、可愛い一人の妹に死んでもらいたくないんだからね?」


あー、可愛い妹が死んじゃうねぇー。
可愛そうに。


…あれ。
待て。


紗弓のお姉さんがそういった。
お姉さんの妹は紗弓…



“妹に死んでもらいたくないんだからね?”