俺には幼馴染の女の子がいる。

その子は二つ年下で、明るい女の子。

家は隣だから、気付いたら一緒に居た。


「十雅~?」


「ん?何、紗弓」


今日も学校の帰り、俺を呼び止めて
向こうから走ってくる。


「一緒に帰っていい?」


「別に良いぜ?」


「ありがとっ」


にこっと可愛らしい笑顔を俺に向けてくる。


この子が俺の幼馴染、七瀬 紗弓(ナナセ サユミ)
因みに同じ学校。

俺は高校二年生。
紗弓は中学三年生。
中学からエスカレーター式の高校だから。


高校にもなって
幼馴染の女の子と仲良くしてる理由なんて


好きだから


それしかないだろう。


…まぁ、紗弓はしらないけどね。


でも、紗弓も俺なんかとずっと仲も良いし
何より、今時の女子高生っ!

…って感じがしない。
アイドルとかにも興味なしだし、
髪も綺麗なブラウン。


「なぁ、俺とばっかり帰んないで、たまには友達と帰ったら?」


「…十雅は私とは帰りたくないの?」


「いや、そーゆー意味じゃねぇけど…」


「ならいいじゃない♪」


一瞬寂しそうな表情にドキッとした。
けれど、直ぐに笑顔になる。


見てるだけで飽きない。


「あ。そうだ!」


「ん、どうした?」


俺の隣を歩いていた紗弓が
急に声を出した。


「ねぇ、ちょっとついて来て!」


「わっ、ととと…」


そう思ったら、急に腕を引っ張られる。


行動力は女子高生並…