『なにやっているだ!!』

『お前らの三年間はそんなもんかよ』

『走らんか!!』

高村監督の鬼練習が始まった。

レギュラーの選手一人一人に罵声をあげて、練習が付きっきりで見ていた。

『こわいわぁ』

葉山先生が言った。

『ありさ。さっきの高村監督には内緒ね』

『はい』

葉山先生によると、もっと若くて現役男子部の監督時代は、もっと怖かったらしい。


『小林先生に聞いてみたら』

『教え子なんですか?』

『今でもテニスコートで会うの時は、怖いらしいみたいよ』


テニスコートから離れて作業していた場所からも、高村監督の声は聞こえた。