ファイナルセットの前、ソウ君はベッチに座ると立ち上がれないぐらいヨロヨロだった。


『ソウ、大丈夫か?』

『大丈夫です』


『大丈夫です』の声は、ほとんど声になっていなかった。


ファイナルセット。



鬼頭先輩の際どい場所打ったボールを取ったソウ君だったが…

―ソウ―

『オリャー!!』

もう返す事しか出来なかったボールは、大賀先輩にとってラッキーボールになり、スマッシュを打たれてゲーム終了した。