試合は、互いに一本引かない試合だった。

大賀先輩のスマッシュが決まれば、負けずに小泉先輩も決めていく。


―大賀イケ―

―小泉そこだ―


試合出てない選手が、両方応援する。


基本、鬼頭・大賀ペアが二年で、浅井・小泉ペアは三年が応援していた。

一年はなんとなく、半分に分かれた。


監督は、メモを取りながら試合を見ていた。


『ありさ?』

『はい』

『ソウ君って、疲れてない?』


『いつもと違って、顔が険しい』

綾美先輩が、ソウ君の異変を気づいた。