泣き枯らし顔をあげる。もう日は沈みきっていて、時刻は夜7時だった。

…お見舞いは明日にしよう。

それでこの手紙を、持っていくんだ。


何か思い出すといいな……。


もし思い出さなくても、大丈夫。

志紀は私の大切な人。

絶対に思い出させてあげるから。



志紀が生きていてくれるなら


きっと何でもできそうな気がするの。




「…麗子、ありがとう」


麗子がいなければ、きっとこの気持ちに気付かなかった。

そして……前向きにはなれなかった。




志紀が選んだ人が沢渡さん

それは揺るぎない事実。

でも私は、諦めきれないから頑張るんだ。





いつか太陽は昇るから。