「‥はぁ」


次の日の朝、私は憂鬱だった。


昨日はリサに刃向かった私。
初めて牙を剥いた私。



あの後リサは、綺麗にしている髪に
ガムを吐きつけられ、
よほど恥をかいたに違いない。



おそらく、イヤ絶対に
イジメは酷くなるのだろう。



憂鬱だ。
学校なんて辞めてしまいたい。



でも、雲との約束だもんね。
守らなきゃいけないよね。



私は意を決して
教室のドアを開けた。



ガラッ



「‥‥‥‥」



あ、れ‥?



おかしい。



おかしい。




どうして‥?




どうして誰もクスクス笑ってないの?
どうして怯えたような顔をしてるの?



教室は私が入ってシーンとした。
でも、いつも静かになるのと違う。



どこか、違うんだ。


私は自分の席に向かった。



ない。


机の上に、
‥土がない。



ガタッ



私は不思議に思いながら
席についた。