「すまんがお若いの・・・ココから出て行ってくれないか?」


 しかし、俺が恍惚に浸っている余韻もなく、一人の年老いたアメンボが俺に声をかける。


「何でだ?」


 おそらく、アイツはまた来る。


 そのときこそ、俺の愛用ハンドガン「ヨツミチさん999」の出番だというのに・・・


「あいつらはな・・・ここいら一体を締めている『全国のヤゴの老後を考える会』の一味じゃ。あいつらに逆らっちゃ、わしらは生きていけない。」


 フッ・・・なるほど、そういうコトか・・・。


 ヤゴの老後は絶対にトンボだというのに、そんなことを言われちゃ、仕方ねぇな・・・。


「分かったぜ、オヤジ・・・邪魔したな。」



 それだけ口にすると、この場から立ち去ろうとする俺。


 しかし・・・。



「おっと、そうはいかねぇぜ。」



 突然、新しい影に邪魔をされた。



 顔を上げると、そこにいたのは、さっきよりも数倍はでかい、水色メガネのトンボ。



 ・・・・・・・・オニヤンマだった・・・。