「おっ、見慣れねぇ顔だな。おぅ、オヤジこいつにも何か一杯やってくれや。」


 水色メガネな赤とんぼは、俺の顔を見るや否や、俺にも水を差し出す。


 けっ・・・誰が、オマエみたいな水色メガネのおごりなんて、受け取るかよ?


 大体、携帯小説が恋愛しかウケないなんて、俺は恋愛小説は読まねぇんだよ!



 そんなことに腹が立った俺は、赤とんぼが差し出した「綺麗な川の蒸留水」を床に投げ捨てる。


「てめぇ、俺のせっかくのおごりを!」


 激怒して、水色眼鏡を光らす赤とんぼ。


「うるせぇ、夕日に浴びたら赤く染まるメガネのクセして調子に乗るんじゃネェヨ。」


「二番を知っている人間は少ねぇんだよ!」


「そんなこと俺の知ったことじゃねぇぜ、俺の歌の歌詞なんて、そのほとんどが『グァグァグァ、ケロケロケロケロ、グァグァグァ』で埋まっているんだぜ!!」


「なんだと、輪唱のクセに舐めやがって!」


「二番まであるくせして、ほざくんじゃねぇ!」



 ズキューーーーン



 バキューーーーン!!



 ダカラソレハワタシノコロッケデショヽ(`□´)ノ!!!



 激しい撃ち合いの結果、俺は赤とんぼの羽を見事に撃ち落す。


「クッ・・・くそぉ~覚えてやがれぇ~!!」



 三流の悪役じみたセリフを残して去っていく赤とんぼ。


「フッ・・・所詮、飛べないトンボは、ただのブタよ。」


 言うと、まだ煙が上がる銃口に息を吹きかける俺。



 ・・・・決まったな。