「兄ちゃん、俺たち親に捨てられたけど、力強く生きていこうな・・・。」
あの頃、俺たちは親に捨てられた悲しみと、後ろ足だけしかないという、とても不思議な容姿に涙を流しながら、その悲しみを乗り越えるために、ドジョウすくいをしていた。
フッ・・・ここで、前足がないのに、どうやってドジョウがすくえるかなんて野暮なこと聞くなよ。
オタマジャクシって言うのは、お前たちが思う以上に、タフで強くて、ついでに魔力に溢れている存在なんだぜ。
しかし、そんなときにヤツが襲ってきたのだ。
「ヤ~ゴ~」
そう・・・アイツは、あからさまに間違った鳴き声をしていた。
ヤゴがヤゴってなくとか、普通ありえないだろうと思いながらも、そいつは、間違いなく俺たちの前で「ヤ~ゴ~」と鳴きやがった。
恐ろしかった。
ヤゴがココまでに恐ろしい存在だとは、思わなかった。
いや、鳴き声だけだったら、まだましだったかもしれない。
しかし・・・アイツはあろうことか、俺たちの強打を食っちまったのさ。
無残に食い殺される俺たち兄弟たち。
逃げるしかない俺。
あれ依頼、俺はギアナ高地と、精神と時の部屋で修行を積み、ついでに、パン工場で新しい顔を作ってもらい、強くなって戻ってきたのさ。
もう、あの頃の俺じゃない。
そう・・・なぜなら、今の俺は、尻尾を犠牲にしてまで手に入れた前足と言う武器があるのだからな!
ついでに、地上にも出れるようになったのだぜ。
時間制限はついているがな・・・。
これも悲しき、カエルの性よ・・・。