麻耶が砂浜の上に這いつくばった俺に情け容赦なく言った。桂木二尉が俺と入れ替わりに前に出ながら言う。
「でも、狙いはよかったわよ、早太君。これで戦い方が分かったわ」
そして俺は現役自衛隊員のすごさを間近に目撃する事になった。自衛隊、特に陸上自衛隊の戦闘訓練は壮絶な物だと聞いたことがある。野外演習では60キロもの重さの全装備をかついで、丸三日かけて富士の樹海を走破する訓練もあるらしい。
桂木二尉も陸上自衛隊出身だと言っていたから、当然そうした訓練をくぐり抜けてきたはずだ。やはり極限まで肉体を鍛え上げた自衛官は俺とは違った。何がすごかったのかと言うと、なんと1分近くももったのだ。俺なんか10秒で一蹴されたのに。まあ、ボコボコにやられて這って戻って来たという結果には何の変わりもなかったのだが……
「ああ、もう!誰もかれもだらしないわね!」
そう苛立って叫んだ麻耶が今度は前に出た。
「あたしが行くわ」
手には昨夜の木刀を握っている。俺は思わず止めようとした。
「馬鹿、よせ、麻耶。そんな木刀でどうこう出来る相手じゃない」
「大丈夫よ。免許皆伝の腕前なんだから」
「だから!30分で免許皆伝なんて剣術……」
麻耶は俺の言葉には取り合わず、あの女伯爵とメイドの方へ迷うことなくスタスタと歩いて行く。その自信に満ちた顔を見て俺は思い直した。いや、もしかしたら麻耶ならあり得ないとは言えないかもしれないな。戦闘や軍事に関してはあいつ一種の天才だからな。
麻耶は相手の近くまで行くと、体の右側を前に出す態勢で斜めに構え、両足を開いてそのまま深く腰を落とした。剣道で言う右半身の構えというやつだ。左手で木刀を腰にさした時の状態で持ち、右手をゆっくりと体の前から回しながら木刀の柄に向けて動かす。
「居合抜きの構えか?」
それを見ていた俺が思わずつぶやくと、横から桂木二尉が補足した。
「と言うより、抜刀術という物みたいね」
「でも、狙いはよかったわよ、早太君。これで戦い方が分かったわ」
そして俺は現役自衛隊員のすごさを間近に目撃する事になった。自衛隊、特に陸上自衛隊の戦闘訓練は壮絶な物だと聞いたことがある。野外演習では60キロもの重さの全装備をかついで、丸三日かけて富士の樹海を走破する訓練もあるらしい。
桂木二尉も陸上自衛隊出身だと言っていたから、当然そうした訓練をくぐり抜けてきたはずだ。やはり極限まで肉体を鍛え上げた自衛官は俺とは違った。何がすごかったのかと言うと、なんと1分近くももったのだ。俺なんか10秒で一蹴されたのに。まあ、ボコボコにやられて這って戻って来たという結果には何の変わりもなかったのだが……
「ああ、もう!誰もかれもだらしないわね!」
そう苛立って叫んだ麻耶が今度は前に出た。
「あたしが行くわ」
手には昨夜の木刀を握っている。俺は思わず止めようとした。
「馬鹿、よせ、麻耶。そんな木刀でどうこう出来る相手じゃない」
「大丈夫よ。免許皆伝の腕前なんだから」
「だから!30分で免許皆伝なんて剣術……」
麻耶は俺の言葉には取り合わず、あの女伯爵とメイドの方へ迷うことなくスタスタと歩いて行く。その自信に満ちた顔を見て俺は思い直した。いや、もしかしたら麻耶ならあり得ないとは言えないかもしれないな。戦闘や軍事に関してはあいつ一種の天才だからな。
麻耶は相手の近くまで行くと、体の右側を前に出す態勢で斜めに構え、両足を開いてそのまま深く腰を落とした。剣道で言う右半身の構えというやつだ。左手で木刀を腰にさした時の状態で持ち、右手をゆっくりと体の前から回しながら木刀の柄に向けて動かす。
「居合抜きの構えか?」
それを見ていた俺が思わずつぶやくと、横から桂木二尉が補足した。
「と言うより、抜刀術という物みたいね」



