うろたえながら言うユミエルだったが、二尉は思いつめた表情で言葉を続ける。
「だとしても、その可能性に賭けるしかないのよ。それが単なる伝説なら全ては終わり。だったら万に一つの可能性でも試してみるしかないわ!」
それを黙って聞いていた小夜ちゃんのお母さんが居住まいを正して、別人のようなきりっとした表情になって桂木二尉に言った。
「正直何のお話かは分かりませんが、それは数年前にここへ攻め込んできた異人から江戸の町を守るために、魔神様の力が必要だという事でございましょうか?」
ううん、正確には異人じゃなくて異星人なんだが、ここは余計な口をはさまない方がいいだろう。二尉はもう一度、頭を畳にこすりつける様にして言った。
「はい。その通りです。その魔神様を目覚めさせる力が小夜ちゃんにあるのでしたら、是非!」
「承知いたしました。小夜!」
それは俺にまとわりついてはしゃいでいた小夜ちゃんがびくっと体を震わせて、畳に正座するほどの威厳のこもった声だった。
「小夜や。この方たちが魔神様のお力を必要としておられる。謡い姫としてのおまえの力、今こそ使う時じゃ。出来るか?」
小夜ちゃんも別人のような引き締まった表情に変わり、俺に顔を向けた。
「兄様、魔神様のお力が要るのか?」
俺は黙ってうなずいた。
「うん!兄様のためなら、小夜やる!出来る!」
今度は小夜ちゃんのお母さんが座布団から降りて桂木二尉に深々とお辞儀をした。
「まだ、お役目を引き継ぐ前の未熟者でございますが、こういう時のためにある家でございます。このような娘でお役に立つのでしたら、どうかよろしくお願い申し上げます」
「ありがとうございます。娘さんをお預かりいたします。必ず、無事にお返しいたしますので」
「だとしても、その可能性に賭けるしかないのよ。それが単なる伝説なら全ては終わり。だったら万に一つの可能性でも試してみるしかないわ!」
それを黙って聞いていた小夜ちゃんのお母さんが居住まいを正して、別人のようなきりっとした表情になって桂木二尉に言った。
「正直何のお話かは分かりませんが、それは数年前にここへ攻め込んできた異人から江戸の町を守るために、魔神様の力が必要だという事でございましょうか?」
ううん、正確には異人じゃなくて異星人なんだが、ここは余計な口をはさまない方がいいだろう。二尉はもう一度、頭を畳にこすりつける様にして言った。
「はい。その通りです。その魔神様を目覚めさせる力が小夜ちゃんにあるのでしたら、是非!」
「承知いたしました。小夜!」
それは俺にまとわりついてはしゃいでいた小夜ちゃんがびくっと体を震わせて、畳に正座するほどの威厳のこもった声だった。
「小夜や。この方たちが魔神様のお力を必要としておられる。謡い姫としてのおまえの力、今こそ使う時じゃ。出来るか?」
小夜ちゃんも別人のような引き締まった表情に変わり、俺に顔を向けた。
「兄様、魔神様のお力が要るのか?」
俺は黙ってうなずいた。
「うん!兄様のためなら、小夜やる!出来る!」
今度は小夜ちゃんのお母さんが座布団から降りて桂木二尉に深々とお辞儀をした。
「まだ、お役目を引き継ぐ前の未熟者でございますが、こういう時のためにある家でございます。このような娘でお役に立つのでしたら、どうかよろしくお願い申し上げます」
「ありがとうございます。娘さんをお預かりいたします。必ず、無事にお返しいたしますので」



