だが、返ってきた言葉は完全にパニックに陥った人間のそれだった。俺のイヤホンにも声が届く。
「それが……二尉、これは……う、うわっ!」
そのまま通信は完全に途絶えた。これはただごとじゃない。俺は迷い込んできた女の子たちを避難させようと、一番近くにいた子に駆け寄り肩をつかんだ。振り向いたその子の眼を見て、俺は背筋がぞっとした。それは明らかに正気の人間の目付ではなかった。
「ジャマヲ……スルナ」
異様に抑揚のない声でそう言った、背が俺の肩ぐらいまでしかない小柄な女の子の手が一閃した次の瞬間、俺の体は3メートルは後方に弾き飛ばされた。かろうじて倒れたりはしなかったが、これはどう考えても普通の女の子に出せる力じゃない。
公衆トイレの建物の陰に隠れていたラミエルが異常を察して俺に駆け寄ってきた。
「早太さん!大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか。あの子たち、いったいどうなってるんだ?」
「きゃあ!早太さん、桂木さん、あれを……」
ラミエルが指さす方向に視線を向けた俺と二尉は思わず息を飲んだ。サンシャイン60と公園の正面入り口に面する大通りはいつの間にか見渡す限り人影で埋まっていた。ほとんどが十代に見える少女たちの、もうこれは群れと表現していいんじゃないだろうか。二十歳を過ぎていると思えるおねえさんたちも多少混じっている。
彼女たちに共通しているのは、顔が能面の様に無表情でどこか視点が定まらないうつろな目付をしている事。そうだ、以前ドラマかなにかで見た夢遊病者みたいな感じだ。最初に公園に入り込んだ子たちが麻耶の乗る2号機の足元に群がり始めた。次々に公園に入ってくる少女たちが後に続く。
何がなんだか分からなかったが、俺はラミエルの手を引いて、公衆トイレの建物の上によじ登った。トイレと言っても結構立派な物なんで、人の二、三人楽に上に乗れる。桂木二尉も後からよじ登って来た。マクスウェルの魔女たちと十数メートル離れて同じ高さで向かい合う格好になった。
もうその頃には公園の地面は次から次へと押し寄せる少女たちで足の踏み場もないほど埋め尽くされていた。先頭の子たちはロボット兵器2号機のボディーをよじ登り始めていた。
「こ、この!」
「それが……二尉、これは……う、うわっ!」
そのまま通信は完全に途絶えた。これはただごとじゃない。俺は迷い込んできた女の子たちを避難させようと、一番近くにいた子に駆け寄り肩をつかんだ。振り向いたその子の眼を見て、俺は背筋がぞっとした。それは明らかに正気の人間の目付ではなかった。
「ジャマヲ……スルナ」
異様に抑揚のない声でそう言った、背が俺の肩ぐらいまでしかない小柄な女の子の手が一閃した次の瞬間、俺の体は3メートルは後方に弾き飛ばされた。かろうじて倒れたりはしなかったが、これはどう考えても普通の女の子に出せる力じゃない。
公衆トイレの建物の陰に隠れていたラミエルが異常を察して俺に駆け寄ってきた。
「早太さん!大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか。あの子たち、いったいどうなってるんだ?」
「きゃあ!早太さん、桂木さん、あれを……」
ラミエルが指さす方向に視線を向けた俺と二尉は思わず息を飲んだ。サンシャイン60と公園の正面入り口に面する大通りはいつの間にか見渡す限り人影で埋まっていた。ほとんどが十代に見える少女たちの、もうこれは群れと表現していいんじゃないだろうか。二十歳を過ぎていると思えるおねえさんたちも多少混じっている。
彼女たちに共通しているのは、顔が能面の様に無表情でどこか視点が定まらないうつろな目付をしている事。そうだ、以前ドラマかなにかで見た夢遊病者みたいな感じだ。最初に公園に入り込んだ子たちが麻耶の乗る2号機の足元に群がり始めた。次々に公園に入ってくる少女たちが後に続く。
何がなんだか分からなかったが、俺はラミエルの手を引いて、公衆トイレの建物の上によじ登った。トイレと言っても結構立派な物なんで、人の二、三人楽に上に乗れる。桂木二尉も後からよじ登って来た。マクスウェルの魔女たちと十数メートル離れて同じ高さで向かい合う格好になった。
もうその頃には公園の地面は次から次へと押し寄せる少女たちで足の踏み場もないほど埋め尽くされていた。先頭の子たちはロボット兵器2号機のボディーをよじ登り始めていた。
「こ、この!」



