俺は心臓が早鐘のようになるのを感じながら、できるだけ抑えた口調で質問を続けた。
「そ、それで、その場所はどこなんですか?」
その女の人はまた素早くキーを操作し画面を俺に向けた。
「池袋。サンシャイン60の近くで何度も見かけた」
「あ、ありがとうございました!」
俺が大声でお礼を言って頭を下げると、その女の人は「いいのよ」という感じで手を振って、バイクを発進させた。頭を上げた俺は思わず「危ない!」と叫んだ。半分こっちを向いているその女の人の前に木の枝が垂れ下がっていたからだ。予想通り、その女の人は枝に頭をぶつけてヘルメットが落ちて俺の足元に転がってきた。
うわ、大丈夫か?怪我していなければいいけど。俺はそのヘルメットを拾って急いでその女の人に駆け寄った。そしてそのままその場で固まってしまった。女の人はヘルメットを受け取ってかぶり直し、両手を胸の前で合わせてお礼のポーズを取り、そのままバイクで走り去って行った。
どうやら怪我はなかったようだが、それは問題じゃない。今の女の人、首から上が無かったように見えたんだが……い、いや、これは俺の見間違いだろう。池袋に首の無いライダーが住んでいるなんて、そんな怪談みたいな話あるわけがない。
俺は急いで携帯電話で桂木二尉に今の話を告げた。まあ、その女性に首が無かったというところは言わなかったが。すぐに桂木二尉が車で俺を拾いに来て、俺たちは一度防衛省に戻って会議を始めた。
おれの説明をもう一度聞いた二尉は、テーブルをパンと掌で叩いて叫ぶように言った。
「そうだったわ!東京タワーと決めつけてかかったのが間違いだったのよ。再配信施設があったじゃない!」
「再配信施設?何ですか、それは?」と俺。二尉が答える。
「高層ビルの陰なんかだと、テレビの電波が届きにくい場所があるでしょ。そういうビルには大きなアンテナを置いて、一度それでテレビ電波を受信して、近くの電波障害がある家庭にそこから電波を送るの。来月にデジタル放送に完全に切り替わるまでの応急処置としてね。それをテレビ電波の再配信施設と言うのよ。そして池袋のサンシャイン60ビルにも、そのためのアンテナがあるのよ!」
「そ、それで、その場所はどこなんですか?」
その女の人はまた素早くキーを操作し画面を俺に向けた。
「池袋。サンシャイン60の近くで何度も見かけた」
「あ、ありがとうございました!」
俺が大声でお礼を言って頭を下げると、その女の人は「いいのよ」という感じで手を振って、バイクを発進させた。頭を上げた俺は思わず「危ない!」と叫んだ。半分こっちを向いているその女の人の前に木の枝が垂れ下がっていたからだ。予想通り、その女の人は枝に頭をぶつけてヘルメットが落ちて俺の足元に転がってきた。
うわ、大丈夫か?怪我していなければいいけど。俺はそのヘルメットを拾って急いでその女の人に駆け寄った。そしてそのままその場で固まってしまった。女の人はヘルメットを受け取ってかぶり直し、両手を胸の前で合わせてお礼のポーズを取り、そのままバイクで走り去って行った。
どうやら怪我はなかったようだが、それは問題じゃない。今の女の人、首から上が無かったように見えたんだが……い、いや、これは俺の見間違いだろう。池袋に首の無いライダーが住んでいるなんて、そんな怪談みたいな話あるわけがない。
俺は急いで携帯電話で桂木二尉に今の話を告げた。まあ、その女性に首が無かったというところは言わなかったが。すぐに桂木二尉が車で俺を拾いに来て、俺たちは一度防衛省に戻って会議を始めた。
おれの説明をもう一度聞いた二尉は、テーブルをパンと掌で叩いて叫ぶように言った。
「そうだったわ!東京タワーと決めつけてかかったのが間違いだったのよ。再配信施設があったじゃない!」
「再配信施設?何ですか、それは?」と俺。二尉が答える。
「高層ビルの陰なんかだと、テレビの電波が届きにくい場所があるでしょ。そういうビルには大きなアンテナを置いて、一度それでテレビ電波を受信して、近くの電波障害がある家庭にそこから電波を送るの。来月にデジタル放送に完全に切り替わるまでの応急処置としてね。それをテレビ電波の再配信施設と言うのよ。そして池袋のサンシャイン60ビルにも、そのためのアンテナがあるのよ!」



