さては?俺の予感は当たっていたようだ。パイロットを失ったF-14戦闘機はまるで引き寄せられるようにマクスウェルの魔女たちの方へ近づいてくる。俺たちの無線に1号サチエルの声が割り込んできた。
「さあ、わたくしの元素使いとしての力、よくご覧になって」
その戦闘機は突然空中で分解し始めたかのように見えた。だがすぐにそうではないことが分かった。真ん中から二つに折れてエンジン部分が下に突き出し、操縦席のある部分がくるりと引っくり返って主翼が折りたたまれ……それは、まさしくスマートな人型の機械に変形して俺の初号機の前に着地してきた。俺はあわてて無線で桂木二尉に叫んだ。
「人型ロボットに変形する戦闘機ですか、あれは?自衛隊はそんな物を持っていたんですか?」
桂木二尉は震える声で答える。
「そんなわけないでしょ!そんな進んだ物、世界最強のアメリカ軍だって持ってないわよ。あの宇宙人の超能力で原子レベルで操られているんだわ!」
またサチエルの声が無線に割り込む。
「わたくしたちの相手をするとおっしゃるのなら、この程度の物は用意して頂きたかったですわ」
ううん、確かに。来るべき異星人との戦いに備えてというのなら、戦闘機から変形するロボットの方がよかったかも。いや、今はそんな事を言っている場合じゃない。サチエルが操るロボットが俺の初号機に襲いかかって来た。
俺は必死に反撃したが、相手の方がスマートな形をしているだけあって動きが速すぎて追いつけない。敵ロボットの蹴りが俺の初号機の頭を直撃し、スクリーンの画像が数秒間乱れた。俺は初号機の右手で左腕をつかんだが、二尉に無線で制止された。
「早太君、だめよ!まだ胸のランプが青のままよ!もう少しねばって」
そ、そんな事を言われても……敵ロボットの動きが速過ぎる。そして数秒後、俺の初号機の左腕が根元からむしり取られてしまった。なんて事だ!これじゃ反陽子ビーム砲が、あの必殺技が使えない。
しかも今頃になって胸のランプが赤に変わって点滅し始めた。ピコン、ピコンという音が俺の頭の中にまで響き渡る。これは非常用電源に切り替わった合図。じゃあ、あと1分ぐらいしか保たない。うわあ、もう駄目だ。
「さあ、わたくしの元素使いとしての力、よくご覧になって」
その戦闘機は突然空中で分解し始めたかのように見えた。だがすぐにそうではないことが分かった。真ん中から二つに折れてエンジン部分が下に突き出し、操縦席のある部分がくるりと引っくり返って主翼が折りたたまれ……それは、まさしくスマートな人型の機械に変形して俺の初号機の前に着地してきた。俺はあわてて無線で桂木二尉に叫んだ。
「人型ロボットに変形する戦闘機ですか、あれは?自衛隊はそんな物を持っていたんですか?」
桂木二尉は震える声で答える。
「そんなわけないでしょ!そんな進んだ物、世界最強のアメリカ軍だって持ってないわよ。あの宇宙人の超能力で原子レベルで操られているんだわ!」
またサチエルの声が無線に割り込む。
「わたくしたちの相手をするとおっしゃるのなら、この程度の物は用意して頂きたかったですわ」
ううん、確かに。来るべき異星人との戦いに備えてというのなら、戦闘機から変形するロボットの方がよかったかも。いや、今はそんな事を言っている場合じゃない。サチエルが操るロボットが俺の初号機に襲いかかって来た。
俺は必死に反撃したが、相手の方がスマートな形をしているだけあって動きが速すぎて追いつけない。敵ロボットの蹴りが俺の初号機の頭を直撃し、スクリーンの画像が数秒間乱れた。俺は初号機の右手で左腕をつかんだが、二尉に無線で制止された。
「早太君、だめよ!まだ胸のランプが青のままよ!もう少しねばって」
そ、そんな事を言われても……敵ロボットの動きが速過ぎる。そして数秒後、俺の初号機の左腕が根元からむしり取られてしまった。なんて事だ!これじゃ反陽子ビーム砲が、あの必殺技が使えない。
しかも今頃になって胸のランプが赤に変わって点滅し始めた。ピコン、ピコンという音が俺の頭の中にまで響き渡る。これは非常用電源に切り替わった合図。じゃあ、あと1分ぐらいしか保たない。うわあ、もう駄目だ。



