俺の彼女はインベーダー

「ちょっと、桂木さん!これは護衛艦なんでしょ?」
 なぜか二尉は不思議そうな表情で答える。
「ええ、もちろん護衛艦だけど?」
 その時、桂木二尉のスマホが鳴り、何か大あわての口調で連絡が入った。それを聞き終わった二尉が俺たちに告げる。
「三十分ほど前、マクスウェルの魔女1号2号の姿が確認されたそうよ」
 な、なに、しまった!横須賀に先回りされていたのか!だが、続く二尉の言葉は意外な、というより、わけのわからん物だった。
「場所は東京都台東区だそうだけど」
 はあ?台東区って、上野とか浅草のある辺りだろ?輸送船と何の関係があるんだ?俺は目をパチクリさせながら続きを促した。
「それで詳しい場所は?」
「ええと、なんでも、株式会社木馬のショールームだとか……」
「は?木馬?」
「ああ!あれね!」
 俺の横で麻耶がパンと手をたたいた。
「高級リボンの専門メーカーよ。一般には有名じゃないけど、おしゃれにうるさい女子高生御用達の会社よ。ニューヨークや香港にも支店を出してる、知る人ぞ知る名店ってやつ」
「はあ?木馬ってその事だったのか?けど、なんでそんな所と地球征服が関係あるんだ?」
 そう言う俺に、桂木二尉も首をかしげながら答える。
「なんでも、商品を強奪して、あ、でも、商品の金額以上の値打ちのありそうな金の塊を置いて行ったというから、強奪でもないわね」
 突然、船の無線のスイッチが勝手に入り、聞き覚えのある女の子の声が響いた。
「あたしの髪を結ぶリボンを入手しに行ったんです~」
 この声はマクスウェルの魔女2号、ユミエルとか言ったあのツインテールの宇宙人!麻耶が無線機に駆け寄って叫ぶ。
「あんた、今どこにいるのよ?」
「あなたたちの目の前でしてよ」
 今度はマクスウェルの魔女1号の声。ふと見ると、船のブリッジの正面の空中に、この前のセーラー服姿のあの二人が並んで浮いている。俺たち四人と特科小隊の10人は一斉に前甲板へ飛び出す。船の舳先で宙に浮きながら、1号サチエルが俺たちに向かって言った。