俺の彼女はインベーダー

 まあ、アミダくじで決めるような奴らなら、何にも考えてなくても不思議はないか。と、これまた納得してしまいかけた俺に妹の麻耶がショックの追い討ちをかけた。
「よし、あたしが手を貸してあげる!」
 ちょっと待て!地球を、俺達が住んでいるこの地球を、征服すると言っているんだぞ、この宇宙人は。それに手を貸す地球人がどこにいる?
 かまわず麻耶は続けた。
「その代わり、あたしを地球の支配者にしてちょうだい。それが交換条件よ」
 な、何を言い出すんだ、こいつは!俺の視線には目もくれず麻耶は続ける。
「地球の征服に成功したとしても、現地の地球人を直接支配して管理するには地球人の指導者を置いた方がよくない?あたしをその地球現地の最高指導者にするのよ。そしたら何でも手伝ってあげるわよ!」
 ラミエルはラミエルで、目をウルウルさせてすがりつくように麻耶に擦り寄った。
「そんな事でよろしいんですか?だったら、是非お願いします!」
 そんな事、とは何だ!我が妹ながら、こいつに支配されるぐらいなら、直接宇宙人に乗っ取られる方がはるかにマシだと俺は断言できるぞ!
 そんな俺の抗議の視線には全く反応せず、地球と宇宙の美少女二人、つまりラミエルと麻耶はいつの間にかしっかり両手を握り合っていた。そして麻耶が高らかに宣言する。
「さあ、これから三人で地球征服を始めるわよ。当分はここがその秘密基地ね」
 俺は即座に怒鳴った。
「今三人で、と言ったか?その三人目は誰なんだ?まさか俺じゃないだろうな?」
 麻耶が本気で不思議そうな顔で返す。
「ちょっと、なに、兄さん。血を分けた妹の危機に傍観決め込むつもり?」
「危機なのはお前じゃなくて、地球の方だろうが!」