改めて俺の部屋に戻って、今度は麻耶と二人でラミエルにもっと詳しい事情を聞くことにした。
ラミエルが言うには、彼女の住む惑星は、昔は地球にそっくりの生命あふれる星だったのだが、資源を掘り尽くし、人口も大幅に減少かつ高齢化して、このままではゆるやかに滅んでいく可能性が高い。そこで水や鉱物・エネルギー資源がまだ豊富に残っている他の惑星を征服するしかない、という結論に至ったそうだ。
そして俺はもちろん、神経がチタン合金で出来ているんじゃないかと思える麻耶でさえ心底驚いたのは、ラミエルに与えられた地球征服の期限がわずか三ヶ月だという事だった。もちろん地球の時間で三ヶ月だ。
だがよく考えれば、あの赤い光の球体といい地球では想像もつかない高度な文明とテクノロジーを持っている星なのだろう。その気になれば地球程度の文明レベルの人類なら三ヶ月で征服できると考えている、その自信がある、ということに違いない。
ただ一つ疑問が残った。地球を征服するのになぜ彼女なんだ?
姿形が地球人そっくりなのは、まあ、むしろ好都合だろうが、体格は日本人のどこにでもいる女子高生とさして変わらない。いや、日本人の平均よりはかなりグラマーというかナイスバディだが、それが役に立つとは思えない。まさか色仕掛けで地球征服ってわけじゃないだろうし。
それにあの気の弱さ。侵略の対象である地球人の一人、つまり俺、にちょっと怒鳴られただけで「すいません」を連発する、おどおどした性格。どう考えてもよその星を侵略、征服するのに適任だとは思えない。
俺は思い切って尋ねることにした。
「それで、どうして君が選ばれたんだ?」
ラミエルは答える。
「図で説明した方がご理解しやすいと思うのですが」
そこで、俺のノートのページを一枚破いて、シャープペンとともに渡した。ラミエルはまず紙の上から下までまっすぐな直線を何本も引いた。
ラミエルが言うには、彼女の住む惑星は、昔は地球にそっくりの生命あふれる星だったのだが、資源を掘り尽くし、人口も大幅に減少かつ高齢化して、このままではゆるやかに滅んでいく可能性が高い。そこで水や鉱物・エネルギー資源がまだ豊富に残っている他の惑星を征服するしかない、という結論に至ったそうだ。
そして俺はもちろん、神経がチタン合金で出来ているんじゃないかと思える麻耶でさえ心底驚いたのは、ラミエルに与えられた地球征服の期限がわずか三ヶ月だという事だった。もちろん地球の時間で三ヶ月だ。
だがよく考えれば、あの赤い光の球体といい地球では想像もつかない高度な文明とテクノロジーを持っている星なのだろう。その気になれば地球程度の文明レベルの人類なら三ヶ月で征服できると考えている、その自信がある、ということに違いない。
ただ一つ疑問が残った。地球を征服するのになぜ彼女なんだ?
姿形が地球人そっくりなのは、まあ、むしろ好都合だろうが、体格は日本人のどこにでもいる女子高生とさして変わらない。いや、日本人の平均よりはかなりグラマーというかナイスバディだが、それが役に立つとは思えない。まさか色仕掛けで地球征服ってわけじゃないだろうし。
それにあの気の弱さ。侵略の対象である地球人の一人、つまり俺、にちょっと怒鳴られただけで「すいません」を連発する、おどおどした性格。どう考えてもよその星を侵略、征服するのに適任だとは思えない。
俺は思い切って尋ねることにした。
「それで、どうして君が選ばれたんだ?」
ラミエルは答える。
「図で説明した方がご理解しやすいと思うのですが」
そこで、俺のノートのページを一枚破いて、シャープペンとともに渡した。ラミエルはまず紙の上から下までまっすぐな直線を何本も引いた。



