ありえない彼氏

「もしもし、塚原?」

『ん?天宮じゃない。由香は?』

「いや…ちょっと俺から言いたいことがあって。」

『めずらしいこともあるのね。あんたが由香との時間を削ってまで電話なんて』


楽しそうに言う佳織に翔太は気まずそうに黙ると、ちらっと私の方を見て優しく微笑んだ。



「実はこの電話も由香のこと。今日俺がいない間、由香と一緒にいてくれたからお礼言わなきゃと思って。」

『別にお礼言われるようなことしてないけど?』

「俺にとってはお礼言うことなの!由香に寂しい思いさせちゃったから…その…ありがと。」



翔太は恥ずかしいのか、少し照れたように頬を赤く染める。

するとケータイから佳織の楽しそうな笑い声が聞こえた。


『私にお礼言う時間があるなら由香とイチャついときなさい。その方が由香も喜ぶでしょ?』

「………。」

「なっ……佳織!!」



佳織の発言と私を見つめてくる翔太の視線が恥ずかしくてケータイに向かって叫ぶと、さらに楽しそうな笑い声が聞こえた。



佳織ってば、なんてことを言うんだ…!!