俺がそれに気づいたのを察した母ちゃんがやっと口を開く。
「深見百合子さんはね、霊能力者じゃない。いわば科学によって生み出された超能力者なのよ。雄二、あんたにはミュータントと言った方が分かるかしら?」
「ああ、それは子供の頃のアニメとかでよく出て来たからな。でもあれって放射能の影響でなるもんじゃなかったかな?」
「そう、百合子さんも放射能汚染によって引き起こされた遺伝子異常の結果、生まれながらの超能力者、つまりミュータントだったのよ。彼女のあの超自然的な力は宗教や信仰によってもたらされる物ではなく、生まれつき備わったエスパーとしての力だったわけね」
「けど、隠れキリシタンと関係があるみたいな事を母さん言ってたじゃないか?」
「超能力はあたしの専門外だから、あくまで推測だけどね。百合子さん自身はもう隠れキリシタンとしての信仰は持っていなかったとしても、そういう家系に生まれ育ったのなら先祖の受難の話ぐらいは子供の頃から聞かされていたでしょうね。彼女はそれを自分の超能力を発動するための引き金として使った。まあ、自己暗示みたいなもんね。行方不明になってから三年間、先祖の迫害の悲劇の記憶をトリッガーにして自分の超能力を最大限発揮できるようにトレーニングを重ねていた。なぜ三年も経ってから復讐を始めたのか、それで辻褄は合うわ」
「ううん、そうか。いや、でも、なんで純のお母さんがミュータントなんだ?日本でそんな昔に原発の大事故があったなんて話、俺は聞いた事ないぜ。去年の福島第一原発の事故だって、いくらなんでもミュータントが生まれるほどじゃなかったはずだろ?」
「その『いくらなんでも』ってほどの、膨大な量の放射能物質が日本で降り注いだ事はあったわよ。それもこの長崎でね」
「いや、そんな馬鹿な!純のお母さんならせいぜい三十代後半だろ。だってあれは1945年……」
「深見百合子さんはね、霊能力者じゃない。いわば科学によって生み出された超能力者なのよ。雄二、あんたにはミュータントと言った方が分かるかしら?」
「ああ、それは子供の頃のアニメとかでよく出て来たからな。でもあれって放射能の影響でなるもんじゃなかったかな?」
「そう、百合子さんも放射能汚染によって引き起こされた遺伝子異常の結果、生まれながらの超能力者、つまりミュータントだったのよ。彼女のあの超自然的な力は宗教や信仰によってもたらされる物ではなく、生まれつき備わったエスパーとしての力だったわけね」
「けど、隠れキリシタンと関係があるみたいな事を母さん言ってたじゃないか?」
「超能力はあたしの専門外だから、あくまで推測だけどね。百合子さん自身はもう隠れキリシタンとしての信仰は持っていなかったとしても、そういう家系に生まれ育ったのなら先祖の受難の話ぐらいは子供の頃から聞かされていたでしょうね。彼女はそれを自分の超能力を発動するための引き金として使った。まあ、自己暗示みたいなもんね。行方不明になってから三年間、先祖の迫害の悲劇の記憶をトリッガーにして自分の超能力を最大限発揮できるようにトレーニングを重ねていた。なぜ三年も経ってから復讐を始めたのか、それで辻褄は合うわ」
「ううん、そうか。いや、でも、なんで純のお母さんがミュータントなんだ?日本でそんな昔に原発の大事故があったなんて話、俺は聞いた事ないぜ。去年の福島第一原発の事故だって、いくらなんでもミュータントが生まれるほどじゃなかったはずだろ?」
「その『いくらなんでも』ってほどの、膨大な量の放射能物質が日本で降り注いだ事はあったわよ。それもこの長崎でね」
「いや、そんな馬鹿な!純のお母さんならせいぜい三十代後半だろ。だってあれは1945年……」



