「じゃあ、純の幽霊が使ってたあの力はキリスト教の呪術か何か……そういう事?」
「それはないわね」
母ちゃんはあっさり否定した。
「まあキリスト教が支配的になった後のヨーロッパでは魔女狩りとか異端審問だとか、教会権力もさんざん残酷な事やった歴史はあるわよ。でも少なくとも正統派のキリスト教の宗派に人を呪い殺したりするための秘術なんてないわ。それはむしろ悪魔を崇拝した教団の専売特許ね。それにその純君の幽霊はこれを武器として使った。十字架はキリスト教徒にとって最高に神聖なシンボルだから、人を傷つけたり攻撃したりするのに使う事はクリスチャンならあり得ない。もしそういう事があるとしたら、相手が悪魔である場合だけよ」
「じゃ、じゃあ、純にとって俺たちは悪魔なのか?だから平気で十字架を武器に使ったって事?」
「いえ、それも少し違うわね。純君の幽霊はこれを武器として美紅に向かって使った……雄二、あんたが純君にとって悪魔だとしても、美紅は純君の自殺には何の関係もない。ましてあの時初めて会った美紅に十字架を武器として使うのはキリスト教徒にできることじゃないわ。たとえ幽霊になっても、そういう心理的なブレーキはなくならないはず。だから参ってるのよ」
「参ってるって、なんで?」
「純君の幽霊が使う超自然的な力が何らかの信仰や宗教にルーツを持つ物なら、その宗教の特徴が分かればある程度はパターンが予想できるはずなのよ。例えば美紅の霊能力がどれだけ強力でも、それが琉球神道の信仰に基づく物である以上、力の発現のさせ方には一定のパターンなり法則があるの。例えば美紅が手から火の玉を飛ばす時、なんて言葉言ってたか覚えてる?」
「ああ、確か……ヒルカン……だっけ?そう言えば、それはどういう意味の言葉なんだ?呪文みたいな物か?」
これには美紅が答えた。
「ヒルカンは火の神。沖縄ではそれぞれの家の守り神の一つ」
「それはないわね」
母ちゃんはあっさり否定した。
「まあキリスト教が支配的になった後のヨーロッパでは魔女狩りとか異端審問だとか、教会権力もさんざん残酷な事やった歴史はあるわよ。でも少なくとも正統派のキリスト教の宗派に人を呪い殺したりするための秘術なんてないわ。それはむしろ悪魔を崇拝した教団の専売特許ね。それにその純君の幽霊はこれを武器として使った。十字架はキリスト教徒にとって最高に神聖なシンボルだから、人を傷つけたり攻撃したりするのに使う事はクリスチャンならあり得ない。もしそういう事があるとしたら、相手が悪魔である場合だけよ」
「じゃ、じゃあ、純にとって俺たちは悪魔なのか?だから平気で十字架を武器に使ったって事?」
「いえ、それも少し違うわね。純君の幽霊はこれを武器として美紅に向かって使った……雄二、あんたが純君にとって悪魔だとしても、美紅は純君の自殺には何の関係もない。ましてあの時初めて会った美紅に十字架を武器として使うのはキリスト教徒にできることじゃないわ。たとえ幽霊になっても、そういう心理的なブレーキはなくならないはず。だから参ってるのよ」
「参ってるって、なんで?」
「純君の幽霊が使う超自然的な力が何らかの信仰や宗教にルーツを持つ物なら、その宗教の特徴が分かればある程度はパターンが予想できるはずなのよ。例えば美紅の霊能力がどれだけ強力でも、それが琉球神道の信仰に基づく物である以上、力の発現のさせ方には一定のパターンなり法則があるの。例えば美紅が手から火の玉を飛ばす時、なんて言葉言ってたか覚えてる?」
「ああ、確か……ヒルカン……だっけ?そう言えば、それはどういう意味の言葉なんだ?呪文みたいな物か?」
これには美紅が答えた。
「ヒルカンは火の神。沖縄ではそれぞれの家の守り神の一つ」



