妹神(をなりがみ)

 俺の問いに母ちゃんはこう答えた。
「二人目、つまり玉城由紀夫君が死んだと聞いた時よ。一人目の東孝太郎君が死んだ時も念のため警察から連絡はあったのよ。でも、その時はこんな連続殺人に発展するとはあたしも誰も思っていなかったから、単なる事故だと考えた。でも、由紀夫君がわずか数週間後に殺された。ここで偶然じゃない可能性が高いと、あたしは思ったわけ。それにあの殺され方、二人とも異常と言うか、人間の仕業とは思えないわよね。純君の幽霊かも、あたしはそう考えた。ま、なんせ商売が商売だしね、あたしの場合」
「じゃ、じゃあもう警察にはその事伝えてくれてるんだね?」
 だが、思いもよらぬ事に、母ちゃんは大きく首を横に振った。
「あのね、雄二。この科学万能の世の中で、連続殺人事件の犯人は幽霊です、なんて話を警察が信じてくれると思う?こっちが精神病院にでも連れてかれるのがオチよ。仮に信じてくれたとしても、警察にどうやってあんた達を守れる?」
 俺は真っ青になってソファにへたり込んでしまった。確かにそうだ。相手が幽霊じゃ警察官のピストルなんて何の役にも立たない。それどころか自衛隊の護衛が付いたって、幽霊の復讐からどうやって守る?
「じゃ、じゃあ、俺はどうなるんだ?多分次は隆平でその次が俺だろ?このまま黙って殺されるのを待つしかないのか?」
 自分でも声がブルブル震えているのがはっきり分かった。俺は死ぬのか?それも悟のようにこの世の物とは思えない、むごたらしい死に方で……