俺は涙をこらえ、大声で泣き出したいのを必死でこらえながら美紅の遺骨を海面に撒いていった。母ちゃんが俺の頭に手を乗せこう言った時、俺はもう我慢の限界を超えてしまった。
「体はでかくてもチューボーなんてまだガキなんだからね。泣きたい時に好きなだけ泣ける。それが子供の特権よ」
 最後に海面に骨壷をそっと投げ入れ、俺は船べりに両手でしがみついて泣きながら叫んだ。
「ウッ……ウッ……美紅……うわあ。美紅!……うわああ。うわあああ。うわあああああああああああああああああああああ!」