ある日突然俺に妹が出来てしまった。といっても、よくある親の再婚で、とかいうパターンじゃない。父親も母親も俺と同じの、本物の血を分けた実の妹だ。だけど、俺はその時まで自分に妹がいるという事実そのものを全然知らなかったんだから、話がややこしいんだよな。

 順を追って話そう。それは六月に入ったばかりの空気がジメっとした日の朝だった。そろそろ梅雨入りかな、ああ、やだ、やだと思いながら俺は何気なくテレビの朝のニュースを見ていた。
 テレビの画面ではアナウンサーが沈痛な表情で昨夜の東京都内での殺人事件を報じていた。被害者は中学三年生。場所はまた俺が小学校まで住んでいた地域だ。また、と言うのはこの四月からもう三人目だからだ。
 中学三年生の男の子ばかりが殺された、いわゆる連続殺人事件というやつだ。もっともそれだけなら東京じゃ珍しくはない。この大都会では毎日のように事件や事故で誰かが死んでいるし、一カ月弱に一人の割合で中三が死んだってだけなら、そりゃそういう事もあるだろう。
 問題はその死に方というか、殺され方だ。