『これすごく似てる。いつ書いたの?』
『あぁ大学はいってすぐん時。親の顔を書かないといけないって実家に電話したら、東京に写真を何十枚も送ってきて、それ見て書いた。実家に飾ってたんだけど持ってきたよ』
『柊二…大丈夫?』
『んーわかんねぇ俺マザコンだからね。』
柊二はそう言って笑った。
『あたしも柊二ママ大好きだったよ。ホントの娘みたいに接してくれてさ。あたしが母の日にエプロンプレゼントしたら泣いてた事、今もはっきり覚えてるよ。』
『俺さ…まだ何にもしてねぇんだよ。親孝行ってやつ?美大にまで行かせてもらったのに結局、就職もせずにバイトだし。たいしたプレゼントもしてねぇし。もうしようと思っても、できねぇじゃんね。マジ困る。こんなに急に…こんなに早く勝手に死なれても。どうすりゃ…いいんだよ』
柊二は目にいっぱい涙をためて柊二ママの絵を見上げた
私は、たまらなくなって柊二を抱き締めた。拓を抱くように。柊二は赤ちゃんみたいに私の胸に顔をつけて泣いていた。

『一緒に泣いてあげるから…いっぱい泣こう。きっと泣くのも親孝行だよ…あたしも自分が死んだ時、拓が泣いてくれたらうれしいもん立派な親孝行だよ』