「だから、僕は諦めないことにしたんですよ。」

どうしてだろう。

どうして沖田さんは
そんなにも嬉しそうなんだろう。

沖田さんにとって
恋って邪魔な存在じゃないんですか?

「由葵さんは?
 由葵さんは恋をしていないんですか?」

「・・・はい。
 私は恋をしません。」

「なぜですか?」

「恋は邪魔な存在だからですよ。」

「どうしてそう思うんですか?」

「私にには守りたいものが
 あるから。そのためには
 強くならないといけない。
  
 恋をしていちいち傷ついてたら
 強くなれないじゃないですか。
 沖田さんに守りたいものはありますか?」

「ありますよ。」

「だったら・・・」

「でも、人って守りたいものができた時に
 強くなるものなんですよ」

「え?」

「僕は好きな人を守りたい。
 だから、いちいち傷ついていても
 その気持ちが消えない限り
 人は強くなれる。
 僕はそう思ってるんですよ☆」

沖田さんは笑ってた。

見惚れるくらいにきれいな
笑顔を私に向けて。

顔が赤かったのは気のせいかな?

「沖田さんに好かれる人は
 うらやましいですね。」

「え?」

はっ、何言ってんのわたし!?

さっき恋は邪魔な存在だって
言ったばかりなのに!!