俺がドアノブを回し扉を開けると、
腕を掴んでいたその手は
力なく離れていった・・・


あっ・・・

放れて行く手・・・


俺はその光景に胸が痛んだ。



伊織・・・


なんだか悲しくて、
すごい寂しい・・・



掴まなかったのは俺なのに、
掴んでいてほしかった、
離さないでいてほしかった。


俺はなんて我儘なんだ。