君を傷つけたのが僕だとしても・・・

「何でや? おまえは誰よりも
伊織のこと想ってる、
大事にしてるやないか?

だから東京にも行かへんねやろ?
伊織が好きやから、そうやろ?」


「ダメなんです!!
俺じゃダメなんですよ!!」


「悠次・・・」


「俺は伊織を傷つけた、
伊織の思いを踏みにじったんです。

まだ・・・憶えてます・・・
あの時の伊織の笑顔・・・
泣きながら笑った、あの笑顔・・・

その笑顔の向こうの悲しみを・・・

俺は伊織にあんな笑顔を
作らせてしまったんです!!」


「悠次・・・」


俺は目に熱いものが滲んだ。