そいつは私の部屋で、あぐらをかいて座って私の帰りを待っていた。

「なんや、ビスケットかいな…まぁしゃあないな。」

少しイラッときたが、私は我慢して、黙ってビスケットを差し出した。

そいつはありがとうの一言も無しに、ガバッと袋を開いた。

「しかしよぉ姉ちゃん、ここの人は皆ほんま、よう食うな。」

ビスケットを口一杯に頬張りつつ、そいつは言った。

「失敬な。みんな、食は細いよ。」

私は座り込みながら、少し怒って返事した。

「あ、そっちちゃうて。わしのエネルギーのこっちゃ。」

「…エネルギー?」

「そや。わし、座敷童子やさけ、住んどる家を守る義務があるんやよ。

それは座敷童子みんなが守るように、わしの先生の猫又に言われとるんや。」

そいつは急に饒舌になり、べらべらと話し始めた。

私は何のことかわからなかった。

猫又!?

何のこっちゃ!?