「…まあ、ええやんか。わしかてこの話はしとうないんや。

…それよか、何か食い物無いん?わし、ハラぁ減ってしもて…」

私はまじまじと彼の顔を見た。よく見れば、彼はなかなか素直な顔をしている。

生やしっぱなしの眉は眉間で繋がり、こち亀の両さんみたいだ。

「な、なんや急に…」

──信じて、みようかな。
私は我慢出来ず、吹き出してしまった。

座敷童子は、おっ、と言って

「ようやくわろてくれたわ!」

と言うと、屈託のない笑い声を上げた。